「5S」のすすめ

先日、ある清掃請負会社を訪問した時の社長のお話。

 

この会社は歯科医院を主な契約先として、定期的に院内の清掃や衛生管理を請け負っています。20年ほど前に事業を始めた時、清掃を外部に任せようという医院はほとんどなく、衛生管理に対する歯科医の意識は今から考えると格段に低かったそうです。

 

そう言えば、一昔前の歯科医院は結構古い機器を使い、治療後のうがいもアルミのコップで流し台も結構汚れていたし、床も決してきれいではなかったような記憶があります。最近の歯科医院はホントきれいに清潔になりました。

 

ただ、今でも歯科医によって、清掃や衛生管理に対する意識は大きく違うようです。

 

社長は、単に請け負った仕事を完ぺきに行うだけでなく、歯科衛生士や看護師さんなど、そこで働く人の意識を変えることが重要だといいます。

 

専門業者として清掃をするとともに、清潔な状態を維持するコツを教え、意識づけを行う。

 

そして、スタッフの習慣付けができた医院は、単に施設が清潔なだけでなく、資材や備品、書類などの整理整頓もすすみ、仕事の能率が上がるとともに確実に患者さんの数も増えていくそうです。医院の「5S」のきっかけ作りを外部清掃会社が行っています。

 

「5S」という用語は、よく知られているように「整理」「整頓」「清掃」「清潔」「しつけ」をローマ字で表した時の頭文字「S」をとって呼ばれ、最初は工場の運営改善に使われたものです。しかし、現在は、事務所内や店舗などに様々な業種においても、仕事の管理や能率を上げる基本の取り組みです。

 

歯科医院のように、施設内の清掃が仕事の能率や働く人のやる気にもつながり、業績向上につながります。

 

事務所や机の上はキレイになっていますか?必要な書類はすぐに見つかりますか?

 

「机の上や中が汚い人は頭の中も整理されていない!」と言う人もいます。

 

5Sの最初のS「整理」とは不要なものを捨てること。

 

売上目標達成はもちろん大切ですが、まずは、不要な書類やパソコンのデータを捨てる「整理」や職場内の「整頓」が基本です。

 

(庭野 勉)