地方創生と近郊都市

・昨年の地方創生政策アイデアコンテストで西東京市の「チーム24分ですむまち」は、

 “「さらに良質なベッドタウン24」をめざして”のテーマで応募し、協賛企業社長賞を獲得した。

・チーム名の「24分」は、西東京市の都心へのアクセス時間と買物・病院等の所用のための市内での移動時間が20分程度以内で済むことを意味し、「すむまち」は用が“済む”ことと“住む”ことをかけている。

・RESASのビッグデータ解析によりチームは、“就労者の75%が市外就労している”こと、“休日の食事・ショッピングは近隣市に出かけている人が多い”現状を確認し、西東京市を“中央でも地方でもないまち”と定義している。

・それを踏まえ、“「さらに良質なベッドタウン」をめざして”東伏見公園に地産地消の市場(マルシェ)とバスターミナル・駐車場を持つターミナルマルシェを開設することと、吉祥寺エクスプレスの運行を提案している。

・広大な東伏見公園の有効活用、地産地消の市場開設による地域振興、環境に優しい交通手段、とメリットづくめの提案となっている。

・しかし、市場開設による地域への貢献は限定的で、市外での消費促進は地域産業の衰退を助長する懸念がある。

・若年層の東京集中が続く一方高齢者の東京流出の動きが出ている。

 東京近郊都市が、働くための用を“済ます”場所になっており、“住む”場所になっていないのかもしれない。

・データ分析により需要変化のきざしを見つけ出し、それを拡大していくサービス提供も必要だが、それを生み出すにいたった本当の原因に対し根本的な対策を地道に行っていくことも重要ではないかと考える。

 「遠回りこそ近道」であることも多いのだから。